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KiP・入居者インタビュー Vol.011 メディカルデザインラボ株式会社 北村 竜也さん

KiP入居後に社員2名を登用。医療とデザインの分野を結ぶコミュニティをつくっていきたい

今回のKiP入居者インタビューはメディカルデザインラボ株式会社の北村 竜也さんです。ご自身が入院した経験から「人に優しい医療を提供したい」という思いを強くし「医療に新しいクリエイティブの風を」をコンセプトとして、医療機器のデザイン・開発を行うメディカルデザインラボ株式会社を経営されています。医療とデザインの分野の展望や、KiPの使い方についてお聞きしました。

北村 竜也(きたむら・たつや)。クリエイティブディレクター / UXデザイナー。甲南大学理学部応用物理学科卒業後、独立系SIerに入社、駐米。ベンチャー企業のプロダクトを日本に導入する業務に従事。帰国後、設計事務所を経て独立。デザイン思考を元に、中小企業の価値創造にフォーカスし、デザインと経営の一体化を独自のデザインフレームで推し進める。また、中小企業庁や兵庫県の派遣専門家として、中小企業のデザイン・ブランド戦略に携わり、医療・工業・美容・食品などのプロダクトやグラフィックなど幅広く活動中。

ーーーKiPに入居されたきっかけはなんだったのでしょうか?

元々神戸市内の別のコワーキングスペースを事務所として利用していたんですが、コロナ禍になってからオンラインの打合せが増えて、業務の上では機密情報を扱っているのもあって、やはり閉じられた個室の空間が必要だと考えて探していたところ、KiPにたどり着きました。2021年7月に法人化するのにあわせて入居しました。

ーーー医療関係のデザインが主なお仕事ですか?

元々の経緯でいえばメディカルデザインラボ株式会社が私の北村竜也デザイン事務所を吸収しているので、デザイン事業部と医療デザイン部の2つ事業部があります。

新型コロナがなかなか収束しない時期にはじめた「行き場をなくした医療用ガウンを医療従事者に届けたい!」というクラウドファンディングが医療デザイン部のほうの仕事のはじまりです。

https://readyfor.jp/projects/medicalgowns

行き場をなくした医療用ガウンを医療従事者に届けたい!- クラウドファンディング READYFOR

事業が拡大しているのはデザイン事業部のほうです。元々グラフィックやインテリアデザインの仕事をしていたのですが、現在はデサイン思考やUXデザインに軸を変えていて、そちらの方で売上があがってきている状況です。

ーーーKiPに入居されてからはどんな変化がありましたか?

事業の拡大にあわせて今月の1月から社員を2名雇いました。リモートで京都と北海道から参加してもらっています。ふたりとも外部発注先として一緒に仕事した経験のある方で主にデサイン事業部の仕事を担当してもらってます。

医療デザイン部のほうはコロナ禍という状況もあって、アドバイザーであるドクターで神戸大学医学部付属病院に在籍されている加藤先生たちもなかなか忙しい状態なので、少しずつ進んでいる状況です。

ーーーさきほどUXデザインとおっしゃっていましたが、今着ていらっしゃるTシャツのfreee(オンライン会計ソフト)もお仕事のひとつでしょうか?

はい、業務委託でお手伝いしています。freeeと言えば法人化する際にfreeeの機能(freee税理士検索)で税理士さんを探したところ、一番近くにはKiPに入居されている齋藤彰規さんがいらっしゃって、さっそくお願いに行きました。「いきなり決めていただくのはありがたいのですが、数人とお話してから決めてください」と丁寧な助言をいただき、実際に何人かお会いしたのですが、齋藤さんがベストだと感じてお願いしています。

ーーーKiPのオススメポイントはどんなところですか?

「事業を大きくしたい」とか、「法人化したい」と考えている人であれば入居をオススメします。やっぱり兵庫県や神戸市、銀行などの組織とつながりができるのが大きいです。また、駅が近くて誰に伝えても場所を知っているし、スモールオフィスと言いながらも個室は広いし、セキュリティもしっかりしているし、安心感がありますね。

ーーーKiP周辺のお気に入りスポットはありますか?

三宮センタープラザの地下1階にある「丸亀手打そば」という大正10年創業のそば屋が気に入っています。親子丼セットは間違いないですね。少しKiPから歩きますが、ジュンク堂書店など本屋にも寄れるので良い気分転換になります。

ーーーKiPへの要望や今後KiPでしていきたいことはありますか?

コロナ禍が落ち着いたらもっとコミュニティを広げていきたいと考えています。1つはデザイナーのコミュニティで、もう1つは医療従事者が集まるコミュニティをつくりたいです。医療従事者の方はいまアドバイザーの加藤先生がいらっしゃるところから広げていき、臨床工学技士に入ってもらって、医療のニーズを収集していきます。病院に行くと感じるのですが、医療機器ってデザインが遅れているんです。その医療現場のニーズをデザイナー集団に持ち寄って何か開発していくことができればと考えています。

取材・文/狩野哲也 撮影/横山宗助