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【起業モノガタリ #01】川原大樹(株式会社KURASERU)
起業モノガタリとは
起業プラザひょうごの会員様が、起業された経緯(起業モノガタリ)を聞きながら、事業内容、事業への想い、起業に対する考えなどを紹介していくインタビュー企画である。
ー 会社名とお名前を教えてください
株式会社KURASERUの川原大樹です。
ー 今なさっている事業を教えてください
プロによる安心で快適な介護施設マッチングを行なっています。
病院側は施設を知らないから、紹介することができず、パンフレットを丸投げしている状態です。それに対して施設側はアプローチができていません。今までは病院の人が属人的にマッチングをしていました。そこでぼくたちは、そのマッチングをコンピュータで効率化とフラット化しています。
ー KURASERUのお客様はどのような方なんですか?
泣いて来られる方が半分くらいいます。例えば自分の父が認知症になって徘徊し始めた。でも自分は仕事がある。でもお金にも限界がある。どうしたらいいのか。という状況であったり、入院をしていて、これから施設に入らないといけなくなった。退院日は決まっている。という状況になってどうしたらいいかわからない方が泣きながら来られる方がいますね。
ー 今の会社を起業しようと思った経緯を教えてください
18歳くらいから起業しようと思っていました。プロ野球選手になろうとしていたけど、父が会社経営してて、かっこいいなーと思っていました。それに大学も経営学部だったから起業したいなと思い始めました。
卒業後にはワーキングホリデーでオーストラリアに一年半くらい行っていて、英語の勉強をしながら見聞を広めて、その後はキャノンニューヨークでインターン生としてマーケティングを学んでいました。
ー 海外で経験を積まれていたんですね。その後帰国後はどうされたんですか?
帰国してからは「一番困ってる業界で力発揮したい! 」と思っていました。
その時全然力ないんですけどね(笑)
「一番困ってるのは介護業界っぽい ! 」
そう思ったのが24歳でした。
そこで、当時私はシルバーカフェビジネスというものをしようと思っていました。介護保険を使って、デイサービスとかしてるのが普通です。でも、おじいさんおばあさんがカフェに来て、そこにリハビリのサポートとか呼んでその辺でリハビリやってるみたいなのおもしろいやんと思って。
それで始めようとして介護職員の方にヒアリングしてみたら「現場みろ」って言われたんです。
即刻、次の日介護施設の面接に行きました。
ー すごい行動力ですね。ではその後はそこで働かれたんですか?
利用者が57名、100床あるとこで、職員24人。そんな施設で働き始めました。そこで半年で主任になったんです。ぼくの前の主任が10年やってたんですが、業務効率に改善できるところがあったので、どんどん変えていきました。
ー すごい改革していったんですね。
結構ゴリゴリでやったんです(笑)それでもう施設はええなって思ったので辞めました。
その後は、父の会社に入りました。270名いるところ。でもそこで何のために仕事してるかわからんってなったんですね。でも息子やからなんかやらなあかんのかなと感じていました。
ちょうどそんな時にバイクで事故したんです。病院にいる時は時間があるから、なんのために生きてるかを考えました。そこで自分はやっぱり社会的インパクトが与えたかったから、病院に入ることにしました。福祉業界は医療と介護があるので、次は医療だと。
ー それで次は医療の現場に行ったんですね。
はい、それで次は医療ということで病院に行き、医療ソーシャルワーカーとして働きました。これが26歳くらいの時です。しかし、この時理事長と院長が急死して、院長の娘さんが理事長になりました。このタイミングで自分が病床利用率を86%から97%まで持ち上げました。結果がでたから、病院の統括になることができました。
ここまでで、ぼくは介護施設と病院をやったから、あとは在宅をやっていないなと。
それで自分で立ち上げた在宅サービスを立ち上げました。それが28歳の時です。今もこれは続けているので、訪問介護事業とKURASERUの両方をしている状態です。
ー KURASERUを立ち上げられたのはどういう経緯ですか?
ここまで福祉業界は全部経験してきました。介護施設と病院と在宅と見てきた中で、患者様の退院後の施設のマッチングが全然できてないことに気がつきました。お医者さんの属人的な知識によってマッチングしている状況でした。知識量に差がある。効率も悪い。ならITだ。
そこで大学の時代の友達と一緒に立ち上げました。
(こちらがKURASERUのページなります。https://www.kuraseru.jp/ )
ー 学生時代はどんな少年/少女でしたか
小中高とずっと甲子園を目指して野球をしていました。甲子園目指してやってて、甲子園に行けたから燃え尽きて、そこで野球はやめましたね。
あとはお笑いが好きだったから、クラスでは盛り上げ役という感じでしたね。
ー プチ悩みを教えてください
プチ悩みか…。壮大な悩みやけどいいですか?(笑)
ー 全然大丈夫ですよ(笑)
訪問看護事業とこのKURASERUのサービス両方やってるからそれで毎日忙しいのが悩みですね。
ー もう1日中やられてるんですか?
そうですね。でも、自分がやりたいことをやっているので楽しいのは楽しいんですけどね。
あともう1つあるのは資金調達ですね。最近は東京に行って投資家の人と話したりしながら考えてて、どうやっていくかっていうのが難しいですね。
ー 今の理想を教えてください
「安心」っていう言葉が一番キーワード。地域包括ケアシステムを日本で作りたいですね。
今は病院と介護施設と在宅医療っていう3つが別れてて、情報共有と連携ができていないんですね。少子高齢化で問題が膨らんでいるのもあり、行政もこれらの問題を抱えきれなくなっています。
そこで病院、介護施設、在宅医療の3つの領域の情報共有と連携ができている地域包括ケアシステムを作ります。
今はまだ誰もこれを実現できていないんですが、2025年までに構築しないといけないと言われている。でも誰もこれをやりますと手を挙げる人はいないんです。そこでKURASERUが手を挙げて作っていきます。
これを実現するのが今目指していることですね。
ー どれくらい実現できる自信がありますか?
それはもう100%ですね。3年以内にはKURASERUが作っちゃいます。
そのための資金調達を今しています。
ー 起業プラザのいいところをお願いします
まあまずはスタッフがいいです。
ー ほんまですか(笑)自分で記事に書きにくいです。ありがとうございます。(笑)
いやいや、本当に。話しやすいですね。
あとはコワーキングスペースが神戸にあまりないイメージでしたが、コワーキングなので入居者の方との関わりが生まれるのがいいですね。直接的にビジネスの利益につながらなくても、同じ場所でやっているので仲間意識がうまれたりしていいですね。
ー 起業したいと思っている方に一言お願いします
起業はリスクがある。生活できなくなるかもしれない。だから、ぼくはもし失敗しても生活できるように3つくらい職になるものを持っているのがいいと思います。
ぼくは起業に失敗しても飯を食えるようなものを持っておこうと思っていました。飲食での経験があったから店長クラスで働ける自信があるし、介護施設での経験もあるから、施設長クラスで働ける自信もあります。あとは病院でも働いてたからフリーの医療ソーシャルワーカーになるって言ったら声がかかる自信があります。だからそれだけの上で起業する方がいいんじゃないかなとぼくは思ってますね。
ー 川原さん、ありがとうございました。