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お知らせ

【起業モノガタリ #02】菊池信孝(株式会社フードピクト)
起業モノガタリとは
起業プラザひょうごの会員様が、起業された経緯(起業モノガタリ)を聞きながら、事業内容、事業への想い、起業に対する考えなどを紹介していくインタビュー企画である。
ー 会社名とお名前を教えてください
株式会社フードピクトの菊池信孝(きくちのぶたか)です。
ー 今なさっている事業について教えてください
食物アレルギーとかベジタリアンとか宗教上食べられないものがある人が世界的には2.4人に1人くらいに増えているんですね。そして日本でも訪日外国人を中心にそういった方々が増えてきています。2020年には約一割が、日本でも何かしら食べられないものがある人になるんですけど、そういった方々にとっては原材料表示が日本語だと読めないとか、飲食店行ってもメニューが読めなかったりとか、コミュニケーションが取れないので、何が入っているかわからなくて不安で食べられないっていうこが増えているので、それを解決しようということで、言葉じゃないコミュニケーションツールとしてのフードピクトっていう絵文字を作っているのと、あとそもそものどういう食文化があってどう対応すればいいのかっていうのをお伝えする研修とかコンサルティングっていうのをやっています。
ー どのような方を相手に事業をされているんですか?
ホテルや商業施設を今は相手にしていて、研修は今は飲食店さんにもやっています。場所でいうと、これからインバウンドが増える場所に対して、これからどういう風にしていけばいいのかっていう研修をしています。
この前は奄美群島に行って研修をしてきました。冷房いれてましたよ(笑
ー 今の会社を起業しようと思った経緯を教えてください
2005年の4月に大阪外国語大学に入学して、留学生と一緒にご飯を食べる中で食べられないものがあるのにメニューが読めなかったり原材料表示がわからなかったりという課題に気づいて、なにかしたいなと思ってインターナショクナルというサークルを作りました。最初はメニューや料理に含まれるものの多言語表示をしました。それが2006年7月です。
多言語表示をしてみたんですけど、言語って限界があるよねということに気づいて、2006年の10月頃にフードピクトができましたね。
そのあとビジネスコンテストに出て賞をもらったり、観客からの投票でも良かったりして、フードピクト事業がニーズがあるんだということを知って、世の中にニーズがあるんだって確信を得て、「やってみよっかな〜(笑)」とNPO法人を設立しました。
大学を出た後は一旦広告代理店で働いていたんですが、インバウンドが増えてきたのもあり、NPOの方が忙しくなってきて両立が難しくなってそのまま一本になりましたね。
そして、2017年1月に株式会社フードピクトとして、NPO法人インターナショクナルの4つの事業から1つを独立させました。理由は企業とかかわりやすくするためですね。
ー 社会人一年目で働きながらNPO法人を両立させるのはやはり忙しかったですか?
忙しかったですね〜。2時間くらいしっかり寝てました(笑)
ー いや全然寝てないじゃないですか(笑)
ー 学生時代はどんな少年でしたか
やりたいこともない学生でしたね。
部活も高校からはやってなくて、帰宅部なんだけど帰宅しない帰宅部でしたね。ビリヤード場いったりとか(笑)友達と一緒にふらふらするタイプでしたね。
そのあと高卒で国税庁に行っていて、そこで自分は公務員は無理だと感じてすぐに大学に入りました。一年で辞めてすぐに大学に入ったので、期間的に言うと一浪してる感じですね。
だから結構周りが適当に授業いってなんとなくバイトしてる中、せっかく自由な四年間が与えられたので単位もしっかり取りつつ活動をはじめましたね。
ー そうだったんですね。一回社会に出ていると勉強の必要性とかすごく実感されたんですか?
んー、というよりかは「下で働くのではなくて自分でできたらいいなー」となんとなく気づきはじめたのが大きな変化としてあったかなという感じです。
そこで起業か広告代理店くらい自由な感じの選択肢を考えはじめていましたね。
ー 学生の時と今との一番大きな違いはなんですか?
えー、お腹周りとか?
ー そこではなくて(笑)ご自身の中身としてみたいな
そういうことじゃないですよね(笑)
えーっと、やっぱ最初始める時は、人と違うことがしたいとか、就活したくないとか、モテたいとか思っていたのが、最近は全く思わなくなったことですかね。むしろ原点に立ち返っていますね。
起業って二段階あって、「まずどうやって稼いでいくか」が第一段階にあって、今ある程度稼げるようになってきました。今二段階目でそもそもなんのためにやっているのかを考えていますね。
フードピクトのライセンスビジネスをしていますが、本来フードピクトを普及させることがミッションだから、国際規格を取得したらライセンスを放棄してフリーにしてしまおうかなとか考えていますね。
ー 今の理想を教えてください
まず、今はこんな風に新しいサービスを作っています。
1つ目は、食べられないものがある人が、「自分はこれとこれが食べられません」と登録すると、食べられものだけが紹介されるポータルサイトを京都で実験しています。
2つ目は、ホテルのビュッフェの商品カードがよく置いてあると思うんですけど、このカードを作る時に「メニュー名」と「原材料名」を記入したらそれに対応したフードピクトを自動的にカスタムデザインで作ってくれるものを作っていたりします。
3つ目のこちらは、今月から販売してるんですけど、原材料表示ラベルプリンターの最大手さんとのコラボレーションで、今まで文字だけだったんですけど、この文字を記入したら自動的にリンクしたフードピクトを一緒に印刷してくれる商品を作っています。
そしてこれらのプロダクトで使うデータベースを一括でまとめてしまうと、こんなこともできるようになるんです。
例えばピザを注文して、そのピザと箱の会社名も写して撮るとそれをAIが識別して、「これはピザーラのマルゲリータです。だから〇〇と〇〇が入っています。」と何が入っているかということがわかる。そうすると「写真を撮るだけで食べられるか食べられないか必要な情報がわかる」という世界を実現できる。
そんな世界を今理想として掲げています。
ー おすすめの起業アイテムを教えてください
必要なアイテムっていう感じじゃないかもしれないですけど、起業する時に必要なアイテムは、仲間ですかね。
NPOを始める時も、サークルの1つ下の当時の彼女と、一回り上の日本語の先生とスタートしていて、日本語の先生は今もNPOの副代表なんですけど、その人のおかげで留学生とのネットワークができたりとか。
今の理事でいうと、言語聴覚士、博報堂の執行役員、ベネッセの教材開発とか人材マネジメント部長と、ボストンコンサルティングのアジア人初のパートナーになって総務大臣補佐官をしていた方がいます。コミュニケーションの専門家、クリエイティブの専門家、経営戦略の専門家などと一緒にしているので実現できていますね。
だから、起業の時に必要なアイテムでいうと「仲間」ですかね。
ー 起業プラザのいいところはどんなところですか
受付がいいですよね。これは冗談抜きで。
いろんなシェアオフィスとか出入りしますけど、あるところは事務的で、あるところはホテルのサービスみたいな感じで。ここは受付の人たちも一緒に空間を作っている感じがして雰囲気がいいですよね。
ー 本当ですか ! ありがとうございます。
ー 起業したいと思っている方に一言お願いします
どうぞ。
(笑)
ー 菊池さんらしいです(笑)
とても自由なんでおすすめです。たまにここにも子供つれてきたりするんですけど、時間の使い方もですし、仕事の仕方も自由なのですごいおすすめです。
ー では、今日はありがとうございました。
ありがとうございました。